シアワセ∞経路
第2章 面影
「捨てるから」
意外な言葉に驚いてしまう。
このハートのネックレスは可愛いくて、デザインも私が好きなものだった。
何より思い出の物なのにどうして捨てようとするのか気になった。
「なんで捨てちゃうんですか?」
「そんなもの必要ないだろ」
ネックレスを持っていた手を大空先輩に掴まれる。
嫌だ……、渡したくない!
「いいえ、返しませんし、捨てさせません!」
素直に聞き入れない私は、大空先輩をイライラさせてしまってる。
必要ないだろってなんなの……?
勝手に判断しないで欲しい……。
「言う事聞けよ」
「んっ……、嫌だっ……」
だんだんと悪くなっている空気を感じ取っていたけど、ここでつい悪口が漏れてしまった。