シアワセ∞経路
第7章 釣り合わない天秤
「あははっ、驚かせて悪かったな。でも……冗談抜きで今は風子ちゃんが欲しいなー」
「えっ……、あの……。それは……どういう……」
「あー……でも、風子ちゃんには大事な彼氏がいるからこんなこと言っちゃダメだな」
「かっ……、彼氏なんていません!」
「あれ?まだ塑羅緒と付き合ってなかったんだ?」
私がこくんと頷くと、颯太さんは少し驚いたような顔をしていた。
「ちょっと、あれ颯太君じゃない?」
「本当だ!しかも知らない女と一緒にいるし」
少し離れたところから、私と颯太さんの様子を伺っている女の子の声が聞こえた。
声のする方を向くと、颯太さんと同じ高校の制服を着ている女の子三人がいた。
もしかして、颯太さんの知り合い?
「風子ちゃん、外に出よう」
見られてまずいことでもあるのかな……?
疑問を抱きながらも、颯太さんとコンビニを出て近くにあった人目がつきにくい場所に移動した。
さっきの女の子たちの視線から完璧に離れたのを確認してから、颯太さんは話の続きをする。