シアワセ∞経路
第7章 釣り合わない天秤
「彼女は、今はいないかな。でも好きな女はいる」
女の子同士で話すようなことを照れ臭がらないで答えてくれる。
颯太さんってやっぱり大人っぽい。
「好きな人いるんですね。どんな人なんですか?」
「明るくて、いつも笑顔を見せてくれて、優しいやつ」
好きな人のタイプの上位を占めるものがきた。
これが重なると、どんな人なのか想像しにくい。
「そうなんですか!きっと可愛い人なんだろうな」
「可愛いって言うより美人だな。……なあ、風子ちゃんさえ良かったらオレの恋愛相談にのってくれねえかな?」
優しい微笑みを颯太さんが私に向けてくる。
イケメンというものは本当に罪というもので。
そんな顔でお願いされたら、どんな願いでも快く受けてしまいそう。