シアワセ∞経路
第8章 危険な勉強会
大事なものを見られてしまって恥ずかしいから……!
もう二度と見られたくない。
颯太は私のことをからかっていて楽しそうだけど。
他人から見れば、おもちゃを取り合っている子供の兄妹のように見えるかもしれない。
それくらいまた颯太に近づいていた。
「それにしてもラブラブだなー、おまえら」
颯太の力には勝てなくて生徒手帳が再び奪われた。
「ラブラブなんかじゃ……」
取り返そうと手を伸ばしたら、体を支えていた反対の手が滑って体が前に倒れた。
バランスを崩して、颯太の胸板に顔が当たった。
「風子は意外と積極的なんだな。そう言う子、オレは好きだけど」
「っ……!ちがっ……!」
起き上がろうとした時に、腰に手を回された。
――ひえっ……!颯太に抱きしめられてる……。
緊張が限界を達して、起き上がる力も振り払うこともできなかった。
「……なにやってるの」