シアワセ∞経路
第10章 未来へ続く思い出
温もりに浸っている暇もなく、ソラは私の肩に両手をかけてゆっくりと離す。
「ごめん。こんなことして悪かったよ」
「へ?……だっ、大丈夫れす!」
髪の毛を整えて、目を逸らした。
そして偶然にも颯太と佳菜美ちゃんが歩いている姿をまた見かける。
まだこの辺の近くにいたんだ……。
「もしかして颯太と佳菜美ちゃんのこと?」
「なっ、なんで知ってるんだよ。隠し切れてなかった?」
「ううん、さっきお店で見てる時に発見しちゃった」
ソラの様子がおかしいと思っていたけど、やっぱり颯太が近くにいることを隠してたんだ。
やっぱり二人の間に何かありそう。
「ねぇ、颯太と顔合わせたくないほど気まずいの……?」