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「風子？ボーッとしてどうしたん？」


比奈ちゃんに声をかけられて余計な詮索が打ち切られた。



「ううん、何でもないよ。どうでもいいこと考えてただけだから」



「あ！もしかしてあのイケメンの先輩見てうっとりしてたんでしょ！？
めっちゃクールでモテそうだもんね！」



「ん……！？」



まさに佳菜美ちゃんと颯太が廊下で話している時だった。


何を話しているのか、休み時間の教室のざわつきに紛れて聞き取れない。



「そんなにあのイケメンをじーっと見るってことはやっぱり図星なんだ？」



「ちっ、違うって…」



「この比奈様が一肌脱いで、佳菜美に付き合ってるのか聞いてあげるわ」



「ええっ！？きっ……聞かなくていいから！」




比奈ちゃんに私の意見は届かず、颯太と話終えて教室に戻ってきた佳菜美ちゃんの方へ早足で向かって行った。