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シアワセ∞経路

第11章 二人の恋


とりあえず佳菜美ちゃんの機嫌が損ねないよう、二人から距離を置いて話をくことにした。



「佳菜ー!さっきの誰?彼氏?」




「そうなの!カッコイイでしょ。モデルにスカウトされたこともある自慢の彼氏なの~」





「うわっ、佳奈が惚気とかうざいわ~」





「って嘘ウソ。彼氏じゃないし!比奈ったら早とちり過ぎっ!」




どうやら颯太と佳菜美ちゃんが付き合ってないみたいで肩の力が抜けて安堵する。






「まじ?それなら良かった~。ねぇ、風子があのイケメンが気になってんだって!」




ひぇ……!?比奈ちゃんったらそんな余計なこと言わなくていいのに。



しかも私が颯太のことを好きみたいなセリフじゃん…。





「へぇー、つい最近まで別の先輩好きだったはずなのに…。
もう他の人好きになってるとか、小神さんどんだけビッチなの?あはは」




「は?佳菜と風子同じ学校だったん?」




「ええ、そうなのよねー。小神さんのこと……比奈よりは色々知ってるけど?」




お願い佳菜美ちゃん……!!


私がいじめられてたことだけは言わないで……!






比奈ちゃんにはあの苦い思い出を知られたくない。



知られたらきっと友達としていてくれなくなる。






佳菜美ちゃんは優位な顔でチラッと視線を向けてくる。


まるで焦る私の顔色を面白そうに確認していたようだった。

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