シアワセ∞経路
第17章 もし出逢っていなかったら
「本当は上手くいくはずだった、風子の片思いを壊そうとしてやっと分かった……。こんなやり方、胸糞悪いってな」
「ほら、やっぱり優しくて素直だよ」
「うっ……、うるせえな!恥ずかしいからそういうこと言うのやめろ。それに、オレは素直なんかじゃねえんだよ」
顔を逸らす颯太は耳が赤くなっていた。
可愛いところもあるんだ。
顔を上げようとしない颯太を優しく見つめた。
「……あと佳菜美の姉のことも諦めたから、オレはもう佳菜美には関わらない」
「佳菜美ちゃんのお姉さんに告白したの……?」
「してねえ。もういいんだ。
全然興味なかったやつに構っているうちに、そっちの方が可愛く思えてきて。
最後には捨てるつもりだったのに、気づいたら捨てられなくなってたからな」
誰のことを指しているんだろう。
この前、ファーストフード店に一緒にいて、颯太の知り合いの女の子たちが言ってたことなのかな。
「つまり颯太には、他に好きな人がいるってこと?」
「そう言うことだ」
「じゃあ、恋人ごっこは終わりだね……」