シアワセ∞経路
第20章 After Story
「さあ?」
友達になると言った颯太は、学校で普通に話してくるようになった。
しかも、もう周りを気にしていないようで。
知り合いがそばにいても、いつもこんな感じにからかってくる。
「オレも久しぶりにあいつに会おうかなー」
「うっ……。なんで邪魔するの……」
「あ?人聞き悪いな。オレは、素直に可愛い従兄弟に会いたいんだけどー」
冗談なのか、本気なのか。
「そうですか」
大事なことを言いたかったから、ソラと二人っきりになりたかったのに……。
「ばーか、安心しろ。今日は付いて行かねーよ」
だったら、紛らわしいこと言わないでよ。
社会科準備室に着いて、荷物を下してドアを開ける。
室内は、適当に置かれた資料や授業で使う道具でいっぱいだった。
でも、せめて人ひとり通れる場所は確保されていた。
そこを通って、開いているスペースに地球儀を戻した。
誰も近くにいないせいで、トンッと置く音が響いた。
「……なあ、いつから付き合うんだ?」