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シアワセ∞経路

第20章 After Story




「……そのうち」


地球儀を置いた場所にあるホコリを指ですくった。

目に見えるほどくっつく。


一応、掃除した方がいいのかな。




「じゃあ、まだ間に合うか?」


雑巾はその辺にあるよね……。




「何が?」


ここを拭いて、資料集を片付けて……。






「……本当は好きになってた」





――…………。





「おっ……、お菓子のこと?颯太は甘い物嫌いだったよね」



見ないように、気を逸らしていたのに。



やめて……――





「違う、風子のことが。初めて抱いた時から好きになってた」




ずるい……。





「まっ、今更こんな事言っても遅いって分かってるけどな」





本当にずるい人……――





「……うん」



偽りだと思っていた恋人ごっこの関係。


そこには、小さな愛が隠れていた。



心のどこかで好かれている希望を抱いていたけれど、答え合わせして欲しくなかった。



今更知りたくなかった。





進む道は決めているのに、ただ胸が苦しくなるだけ……――


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