シアワセ∞経路
第20章 After Story
「やっぱ、ダメだよな」
「あはは。今頃言うなんて颯太も不器用だね」
無理にでも笑って誤魔化す。
「風子に言われたくねーよ」
「それもそっか」
「じゃあ、行くわ。重い物持つ時、たまにはオレにも頼れよ。ゴリラになる前に」
「ゴリラになんてならないから!」
「ふっ、どうだか。じゃあ、またな」
「うん……」
まただ…………。
二人っきりで初めて会ったとき、失恋したばかりだった颯太がしていた顔。
悲しいはずなのに、何もなかったような表情。
ごめんね………。
でも、このままでいいんだ。
やっと普通の友達になれたんだから。
颯太がいなくなった後、ドアの前に置いておいた資料集を取りに行った。
無駄に重い、……この資料集。
一旦、胸元くらいの高さの棚に置く。
その時、スカートのポケットに入れていたスマホのバイブが鳴った。
見てみると、ソラからメッセージが入っていた。