シアワセ∞経路
第4章 あなたのとなり
ぼーっと考えつつ、見ていた黒板から目線を机へと戻した。
――!
開いていた国語辞典の真ん中に、あるはずのない白い消しゴムの欠片があった。
それが後ろからまた飛んでくる。
どうやら後ろの席の人が、消しゴムをちぎって私に投げているらしい。
こんなことにちぎりまくって、消しゴムが勿体ないんじゃない……。
やっていることが、子供染みていて腹立たしい。
やめてと言いたいくらいだったけれど、授業中なのもあって黙っていた。
大丈夫。授業が終われば、この教室を出ていける。
だからこのくらい…、どうってことはない。
どうってこと……、ないよ……。