シアワセ∞経路
第4章 あなたのとなり
ありがとうとお礼を言おうと、私は大空先輩に視線を向けた。
大空先輩も私のことを見ていたから、目が不意に合う。
慌てて逸らしても、まだ視線を感じる。
なんなんだろう……。
目線をゆっくりと戻してみると、やっぱりじっと見ている。
照れるから、そんな真剣な顔で見て来ないで!
「おい……、ちょっとそのまま立ってて。動かないでじっとしてろよ」
「え……?」
状況をつかめていないまま、大空先輩が私の方に向かって歩幅を縮めてきた。
そして私の肩の高さまで大空先輩が両手をゆっくりと挙げて触れようとしてくる。
何をされるのか怖くて目をギュッと閉じた。