シアワセ∞経路
第4章 あなたのとなり
「そうだったんだ。……ひどいな」
「いえ、私に何か落ち度があるからかもしれませんし」
そう言うと、大空先輩は背を向けた。
「おまえは何もしていないんだろ?まあ、そんなことできるような性格でもないだろうけど」
「大空先輩にしかしていません」
「ああ、ネックレスのことか。あれはちょっと頑固だなって思っていたけどもう気にしてないから」
「が…、頑固……」
「だけど、おまえのクラスで起きていることに関してはおまえは悪くない。それに、いちいち自分を責めるな。……せめて俺の前では自分らしくいていいんだから」
――……!
嫌われたくなくて、引いたりされたくなくて、クラスの中ではずっと本当の気持ちを隠していた。
……出さないように我慢してた。
私があそこで泣かなければ、怒らなければ、誰も嫌な思いしないで済むって思っていたから。
そんな感情出せる場所じゃないって、いつの間にか感じていたから。
でも大空先輩はこんな私を受け入れてくれるんだ……。
私らしく、ここにいていい……。
居場所って……なんだか温かい。