シアワセ∞経路
第5章 共力者
「おい、風子。なに、ぼーっとしてるんだよ」
ソラに話しかけられて、ふわふわしていた気持ちからシャキッと我に戻る。
「え……あっ、ごめん。ねえ、颯太さんってソラの先輩なの?」
「気になる?」
「うっ、うん。どういう関係なのかなって」
「……颯太は、俺の一個年上だけど。先輩って言うより、従兄弟だよ」
あんなイケメンの従兄弟がいたなんて知らなかった。
ソラと颯太さんは、どこか似てるとこがあるようなないような。
でも、雰囲気が全然違う気がする。
「結構、仲良いんだね」
「うん。よく遊んだりしてたし、俺にとって、颯太は兄みたいな感じかな」
ニッと笑ったソラの顔を見て、緊張から解放されてホッとした。
つまり颯太さんは、お兄さん代わりなんだ。
ソラは、いい人に恵まれてるんだね。
いいことを知れた気がして、心が温かくなった。