シアワセ∞経路
第5章 共力者
もうすぐ冬休みになる前の放課後。
日直だったソラの用事で、職員室へ向かうため廊下を二人で歩いていた。
相変わらず私のそばにいてくれるけど、ソラは高校受験を控えていて忙しそうだった。
「ソラったら、そう言う逃げ腰になってるから、いつまでたっても克服しないんだよ」
「女嫌いだから、男子校を選んだってわけじゃないんだけど……」
「それじゃあ、ますます女嫌いを治す機会が減るじゃん」
ソラは、女子が一切いない男子校である東高を受験するらしい。
なかなかの倍率で、頭のいい人が行くイメージがある。
いつもテストで高得点を採ってるソラなら、余裕で合格するんだろうけど。
「前からここに行くって決めてたからいいんだよ」
「言ってることと、やってることに矛盾があるような」
「風子さーん。こればかりは偶然だから許してくれません?」
「はあ……」
高校受験か……。
もうすぐソラは、……私より先に中学校を卒業するんだ。