
散りゆく花
第1章 花
――ひーくん、たすけて…
バッ
私また寝ちゃったの?
何よ、今の夢…。
「起きたか。」
朝日はドアにもたれかかっていた。
『あ、あの、さっきはありがとうございました。』
「お前は誘拐犯に礼を言うのか…。これからはあいつらにまたやられると思っておいたほうがいい。」
また、あんなことをされるのか…。
今まで好きな人とか彼氏すらできたことなかったけど、やっぱり初めてがこんなのはイヤだ…。
私はそれからずっと寝れなかった。今が何日の何時なのかさえわからない。それに食事も与えられていないから疲れきってた。泣くことさえできない。これからどうしたらいいの…。
私の頭には絶望って言葉しかなかった。
