
散りゆく花
第3章 真実
ピンポーン…
ピンポーン…
《…はい》
『あ、ひなたです。おじさんに聞きたいことがあって…』
『ひなたくん、よく来たね。中に入って。』
さっきとは打って変わってにこにこと笑う。
『…おじゃまします。』
家の中はシンとしていた。
『さて、ひなたくん。聞きたいことって何だい。』
やっと高校生になったのに小学生と接するように話しかけてくる。
『あの、おじさんその気持ち悪い笑顔向けるのやめてくれます?』
男の顔は一瞬にして無表情になった。
『おばさんはいないの?さっきまでいたと思うんだけど。』
『早く用件を言ってくれないか。』
さっきよりも低い声が苛立ちを感じさせる。
