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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第9章 二人だけの卒業旅行



怯えを含んだ顔で俺を見上げる彼に嗜虐心を擽られるように、さらに胸元をも掻き開く。



露にされた小豆色の尖りを隠すように伸ばされた手を払い除け、口に含む。



千「あ……」



二、三度舌先で転がした後軽く押し潰す。



もう片方は、指先で摘まんだりつねったりして違う刺激を与える。



繰り返していると、小さいながらに段々と固くなってきてその存在を主張し始めた。



ふと、急に黙ってしまった彼のことが気になって顔を覗き込むと、ものすごい早さで顔を逸らされてしまった。



でも俺は見てしまった。



顔を真っ赤にして必死に声を堪えるあなたの顔を。



初めてあった日、ガキはタバコを吸うなと、毅然と言い放った顔じゃない、



快楽に溺れてゆく寸前のあなたの顔を。



逸らされたあなたの顔に手を添え此方に向けさせる。



溺れてはいけない場所に溺れそうになって、でも、



一度は甘いものを口にしたいという欲求を抑えきれなくて思わず口にしてしまった。



彼は今にも咎められることを覚悟したような目で俺を見た。



俺は、













楽園であなたを唆したヘビに過ぎないのに…。



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