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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第9章 二人だけの卒業旅行



そうなったら下着も意味がないだろうと脱がせようと手をかけると、意外にも彼はあっさりそれを許した。



多少、抗うことを予想していただけに拍子抜けしてしまう。



抗うどころか、腰を浮かせてことをスムーズに運ぶよう計らってくれた。



そのくせ、隠すものがなくなったその場所を恥ずかしそうに手で隠す。



呆れるどころか愛おしさが溢れ出して止まらない。



思わず覆い被さるように抱きしめキスをした。



何度か重ねるだけのキスを繰り返したあと互いの舌を絡ませあった。



お互い息が上がりそうになるまで貪った。




絡ませあった唾液を、彼が気管に詰まらせえづくまで。



唇を離し、互いを繋ぐ銀色の糸が儚く消えてしまうまで互いの顔を見つめ合ったのち、瞬きをした彼の目尻から涙が零れ落ちた。



千「ごめん…」


「え?」


千「初めてだから、どうしたらいいのか分かんなくて…」



止まらない涙の滴を指先で拭った。



千「しかも…男…なんて…」



ごめんねと繰り返す言葉の出口を唇で塞いだ。



「初めてなのは俺もだって?」


千「え…?だって…」


「そりゃあ…女との経験はあるけど…どこをどうしたら気持ちいいのかなんて…ま、自分がこうされたら気持ちいいんだろうな?的なことしか出来ないけど?」



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