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《番犬女》は俺のもの

第12章 そういうの いらない


零たちは3年の階も素通りしてさらに上に行く。

その先にあるのは屋上への扉だけ…。

雨のせいで濡れた屋上を使う者は誰ひとりいないわけで、そこを通る者もまたいなかった。


屋上の手前で、二人きりで向かい合い立ち止まった彼等の様子を、茜が身を潜めて伺っていた。


“ そういえばあの手紙には、二人きりで話したいと書いてあったっけな…… ”


だからこうやって誰もいない場所にきて…。



篠田…お前は

どういうつもりなんだ?



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