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《番犬女》は俺のもの

第13章 球技大会..汗と鉛と 苛立ちと


「では最後に写真を撮るので、カメラに目線をお願いします」

賞状を受け取った後

表彰台の下にカメラマンがやって来て二人に構えてきた。


「はい!笑ってくださーい」


“ こんな状況で笑えるか ”


誰にも聴こえない舌打ちが茜の口内で行われた。



笑って~

茜さま笑って~

久藤さーん♡


“ 無理だ…!! ”


彼女はますますしかめ面に…


「撮りますよー!さーん」

茜の笑顔を諦めたカメラマンがカウントを始める。




にー



「…ハァ…困った子だね茜さんは」


「──?」



いーち!





ガバッ



零が彼女の頭に手を回し

自分の胸に寄りかからせた




──パシャ...ァ





「‥‥な‥ッッ」


「きゃああああああ♡」



無防備に赤面した茜と

王子様スマイルの零のツーショット。



心臓を撃ち抜かれた女たちがこの後、この写真を求めて実行委員のテントに押し寄せることになるのだった───。










────…







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