《番犬女》は俺のもの
第31章 茜の反撃
「さっそく今日の放課後に、二人で結婚指輪を見に行こうか♪」
「…いろいろッ順番がおかしい!」
「……そう?」
零は、茜手作りのトリュフを見せながら話す。
「茜さんの俺への気持ちは…このチョコレートで十分に伝わったよ。アッツアツの、愛情が」
正しくは
メッラメラの、闘争心だが。
「…もういい、それを返せ」
「返さない♪」
「さっさと返せ…っ、篠田…──」
「……レイ」
......
「──…俺は、零だよ?」
「……!!」
チョコレートを取り返そうと伸ばした茜の手首を、零が素早く捕らえた。