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二面性*マクガフィン

第3章 学年1位のエリート

《 二宮邸 》


「あーっ!!また負けたああああ!!」


一般人の住む家のリビングよりもはるかに広いリビング。

そのど真ん中にあるテレビの画面を見ながら、

雅紀は頭に手をあて叫んだ。


「………フッ…やったぜ」

潤は雅紀の反応にガッツポーズをし、ソファに座り直した。

テレビのスピーカーから流れる音楽が、潤の勝利を祝福しているように聞こえる。

雅紀の顔が暗くなっていった。


「俺、相葉くんが相手なら楽勝だわw」

「!?」

雅紀はハッ…!とした顔で、隣に座る潤を見た。

「ちょっ……!そんなこと言わないでよーっ」

俺だって頑張ってるんだぞ!? と言っているような表情をして、

ゲームのリモコンを膝の上におき、

ハァーッ…!と体と腕を天に伸ばしながら

ソファの背もたれに倒れた。


「ニノに勝つ前に…まず松潤に勝たないと…」

「………………」


雅紀の独り言は、潤の耳に届いていたのであった。

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