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二面性*マクガフィン

第3章 学年1位のエリート

カタカタカタカタカタカタ…

「……………………」

指をひたすら動かし、目で打たれた文字を追う。



『あ、ここをこう…』


耳にイヤホンをつけ、

隣の部屋の声が聞こえないようにするが、


『よっしゃあああああ!!』

『まだ終わっ…』


……と聞こえてきて、唇を噛んだ。

カタッ… 声のするほうに視線を向ける。

「………うるさいですねー…」

先程と同じ言葉を吐き、

手を止め、イヤホンのある耳に手を当てた。


「ゲームくらい…静かにできないのかよ…」


パソコンの画面の光が、ニノの姿を照らす。

部屋の片隅で、小さくため息をついた。



「せっかくのドラマが聞こえないじゃないですか…」

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