二面性*マクガフィン
第3章 学年1位のエリート
「こんなことされても………まだ答えてくれないの?」
指先にたっぷりと…唾液がつく。
それを女に見せつけるように…。
ニヤニヤとした顔で…
「………………」
「次は…手加減しないよ…?」
風で髪がなびく。
その音が自然と耳に入ってくる…
………静かだった。
その中で、
十分に聞こえるぐらいの大きさで、
「はぁ…」
…と、
目の前の人が目を閉じた。
「だ〜か〜ら…」
言葉と同時に、女は彼の首に腕をかけた。
その一瞬のうちに、目つきがガラッと変わる。
「別に…私を好きにしてもかまわないのよ…」
……先程とは違った。
「学年1位の…エリートさん……」
………力強い目。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える