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触れたくない。

第4章 四






膝の上にいる私を、七瀬さんが体を屈めて優しく啄ばむようなキスを何度も繰り返してくれる。




ああ、やっぱりこの冷たい温度じゃないとだめなんだ。




カケイにキスされた時の違和感は、きっと七瀬さんのせい。この温度溺れてしまった私のせい。




「は…ッ七瀬さん…もっと…」



私は熱に浮かされながら、懇願するように七瀬さんの胸にすがりついた。



そんな私の露になったうなじに、そっと唇が落とされる。




「いいけれど、首輪のようなそれはなんだい」




そして、彼の吐息がうなじを滑りながら吐き出された言葉に、そうだったと少し我にかえる。



私は彼の胸から顔をあげ、指輪をそっと持ち上げた。




が。




「あっ?!」





突然下から襲ってきた快感に、思わず手を離してしまい、



ネックレスにしたてた指輪はチャラッと音をたてて元あった場所に戻ってしまった。



「なっなせさ…!!今は触らないで…ッ」



変わりに彼の首元に顔を埋めて、快感に耐える。




「言っただろう。言える余裕があるのなら、と。それに、もっとと言ったのは君だ」




「や…ッぁあ…、ひ…どい…ッ」



コリッ。既に熱くなって膨れあがったソレを、七瀬さんが指先で弄んで。




私は快感で震える体を彼に預けることしかできない。


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