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凍夜

第3章 花


そんな先日の事を思い出しながら、私は銀さんとワタナベ刑事のやり取りを立ち聞きしていた。

ドアが開き、ワタナベ刑事が出てきたので、私は作り笑いをすると「今晩は。」と挨拶した。

「リナちゃんか?あんまりここいらをうろつくなよ、いい大人になれないからな!」そう言って私の顔をギロリと見た。

私はいい大人という事がどういう事かはわからなかったけれど言われていい気はしなかった。

「学校には行ってるか?」

私はそう言われて逃げるように銀さんの背後に隠れた。

「ハハハ、ナベさん、学校なんてなんの役にも立たないよ。リナは家庭教師もついてるし、いいんだよ。」

銀さんはワタナベ刑事を笑い飛ばした。

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