その手で触れて確かめて
第5章 小さな恋の物語(O × O)
ふーん。これまた、顔立ちが幼いから、
「サラサラ髪の美少女」の弟かな?
程無くして雅紀が持ってきてくれたコーヒーを飲みながら観察(←笑)していると、
3人仲良く、顔を付き合わせて、
メニューを指さしながら談笑し始めた。
うぉあ……いい絵ヅラ!
あの弟も、笑うと中々…。
親友の存在も忘れ(←笑)、しばし、見惚れていると、
その俺をガン見するその親友の視線に気づいた。
「准一、お前、さっきから何見てんだ?」
「ん?あ、いや、何でも…」
親友が、背後にいる美形3姉弟(?)の顔が見れないように、
分厚い、ガリ勉のような眼鏡を取り上げた。
「あっ!!こら、返せ!!」
「お前、何度言えば分かるんだよ!?コンタクトにしろ、ってんのに!?」
「勝手だろが!?早く返せよ!?俺だって、見たいんだから!!」
「えっ?雅紀、今、何て」
「准一、俺が何にも知らない、と思ってたんだろ?」
チッ。気付いてたのか…。
クッソー!?俺だけの至福のひとときを!!
「言っとくけど、あの3人見てんの、俺らだけじゃねーし。」
「えっ!?」
そーっと辺りを見回すと、
近くの席に座っているカップルの彼氏の方が、
ドリンクバーだけで何時間も居座っている冴えない浪人生が、
窓際に座る彼女たち(?)に、熱(苦し)い視線を送っていた。
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