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その手で触れて確かめて

第5章 小さな恋の物語(O × O)



は、初めて…って…



初めて、ったよな?



初めてってこては、



あれだろ?



「ファーストキス」ってやつだろ?



マジかよ!?初めての相手が俺、ってことだろ?



し、しかも、俺が指摘した途端、あんな真っ赤になって…。



あっ!!もしかしたら、大野のやつ、俺のこと…?(←ある意味ポジティブ)





そっか、大野やつ…♪



だから、人前でキスした時にあんなに怒ったのか…




それからというもの、


大野智は何かにつけて俺が絡んできても、邪険に扱うことがなくなって、


ランチも普通に一緒に食べ、一緒に帰った。



今にして思えば、恐らく、あれが初めてのキスだ、ってことが俺に知られて、


それを周囲に話されたくなくて俺のことを邪険にできなかったのだろう。



そのうち、普通に言葉を交わし、冗談も言い合えるようになった。





でも、俺には一つ、心残りがあって、


初めてのキスを頂いたその次の、


初めてのアレを、


どうしたら大野智のもう一つの「初めて」を手に出来るか考えていた。


が、そのことは、俺のダチを通じて大野の耳にも入っていて、



「気の毒なやつだ」と、呆れ返っていたらしい。



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