その手で触れて確かめて
第6章 二宮氏の憂鬱
ほどなくして、社長が戻ってきて、
難しい顔をして相葉社長の向かいに深く腰かけて、開口一番。
「で、何?潤と何かあった?」
「よく潤のことだ、って分かったな?実は…」
相葉社長が言うには、
最近、潤さんと顔を合わせないぐらいスレ違いが多い。
朝は、自分が起きた時にはもう既に姿が見えなくて、
夜は、先に退社しているはずなのに(勤務先が同じ)、まだ家にも戻ってなくて、
朝、起きた時には朝食の支度がしてあるから、 確実に家には帰ってきているはずなのに、なぜか姿を見ない。
つまり…
避けられているのか、もしくは…
「浮気してんじゃないか、って?」
「そうなんだよ。」
「うーん…あんな嫉妬深いヤツが、ねぇ…。心当たりとかないの?」
「…ない。(キッパリ)」
「…いや、分かんねえよ?アイツ、バイだもん。」(←そう言うこの人も。)
「女、かも知れない、ってことか?」
「うん。」
「女じゃ勝てないなあ。」
まだ、そうと決まったわけじゃありませんよ?相葉社長。
「二宮くんはどう思う?」
「はい?」
あ、知らない間に相葉社長のお悩み相談に私も参加してたんですね?
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