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その手で触れて確かめて

第6章 二宮氏の憂鬱



「確かに。その可能性も否定できませんね?」


「だろ?アイツもさあ、仮にも俺の弟なんだからさ、モテないワケがないんだよね?」



「………」



…まあ、否定はしませんけど?



「それでは、潤さんに内緒でGPSでも付けてみたら…?」


「バレた時が恐ろしい。」


「…俺もそう思う。」



口をそろえて頷く2人の社長。



「いっそのこと、直接聞いたらいいじゃないですか?」


「あっ、そっか。どうせ、会社で会うんじゃん?」



急に、両手で頭をわしゃわしゃと掻き回しながら唸りだす相葉社長。



「だからっ!!それが出来ないから相談してるんだろっ!!」


「どうしてです?」


「恋人でしょ?」


「…だからだろっ!?」


「コワイ…んですか?」


恐る恐るお聞きしてみたところ、遠くを見るように黙り込んでしまった。





相葉社長、こんな時に言うのもなんですけど、


やっぱり、そのカッコよさをここで小出しにするのは止めましょ?



笑いを通り越して、可哀想になりますよ?



「図星…ですか?」


「…そうだよ。」



なるほど…


好きすぎて、本当のことを知るのが『コワイ』って意味だったんですか?


私はまた、ウチの社長が奥さまを怖がっているみたいに『コワイ』のかと…。



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