その手で触れて確かめて
第6章 二宮氏の憂鬱
まあ、そんなこんなで、
社長が心血を注ぎ込んだ社内コンペもうまくいき、まずまずといった空気の中、
潤さんが社長を訪ねてきた。
「ちょっと早いけど、はい。」
と、社長の目の前に白い箱を置いた。
途端に蒼白になる社長。
と、いうのも、もうすぐ社長の誕生日。
「バースデーケーキ。スッげぇ頑張ったんだぜ?」
「ふ、ふーん?」
…社長、大丈夫ですか?
ケーキの収まった箱を得意気に開けて見せる潤さん。
すると…
「あっ!チーズケーキ♪(←大好物)」
子供のような笑顔を浮かべる翔さん。
でも、甘いものの食べ過ぎで死にそうだ、ってボヤいていたんじゃありませんでしたっけ?
結局、私もご相伴にあずかることに。
…ごちそうさまでした。
後日、この時のお二人の様子を、写真付きで智さんにメールで報告。
社長…、翔さんにメールで誕生日をお祝いした後、
私にも返信が。
『ところで、二宮の誕生日、っていつだっけ?』
え?今さらですか?
『二宮氏の憂鬱』end.
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