その手で触れて確かめて
第7章 甘くて、甘い…(A × M)
「バッ!!バカ!!何すんだよ!?」
「何?って、欲しいか、って聞いてきたの、お前じゃないか?」
雅紀の手からシーツを奪い返す。
「だから、何でこんなことすんだ、って?」
「欲しいから、だよ!?」
「はあ?」
ナゼか興奮状態の雅紀に組み敷かれてしまう。
「お前が欲しいから、だろ?」
何でそうなるんだよ!?
さっきまでやってたろうが!?
どんだけ、旺盛なんだよ!?
「だから、そういう意味じゃな…ん…っ」
雅紀に唇を塞がれてしまう。
さっき食べたチョコレートの味が、
俺たちの舌が絡み合うたび行き来して、
その甘さに酔いそうになる。
「…お前も俺のこと、欲しかったんだろ?」
「ん…」
雅紀と俺の唇を繋ぐ銀色の糸が光を弾きながら消えてゆく。
俺は、
俺の頬を包み込むように持ち上げる手が、
自信過剰な言葉が、
体の線の細さからは想像できない割れた腹筋だとか、
そのくせ、俺を見つめる優しい眼差しとかが
案外好きなのかも知れない。
本人には絶対言えないけど…。
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