その手で触れて確かめて
第7章 甘くて、甘い…(A × M)
「あのさ、何で俺なワケ?」
ぶつくさ言いながらも、
リスみたいに頬を膨らませた翔が、口一杯にケーキを詰め込んだまま口を開く。
「文句言え、って言ってないんだよ!?美味いか不味いかだけ言やあいいんだよ!?」
「お前な…。」
「どっち?」
「…美味い。」
「じゃ、次、これ食べて?」
「えっ?まだあんの?」
「いーじゃん?昼飯代浮いて?」
「そーいう問題じゃないんだよ!?」
「どーゆー問題なの?」
「お前、俺を殺す気か?」
「何で?」
「こんだけ甘いもん食ってると病気になんだろ?」
あれ?そう言えば…
「翔、太った?」
「はあ?太ったぁ?そりゃ、太るだろ!?1週間こんなもん食わされりゃ。」
「ごめん。ちょっと材料見直してみるわ。…それにしても1週間、スウィーツ食べただけでそんな太る?」
ちょっとポッチャリしてきた翔のアゴをむにむにと摘まんでやった。
「るせーな!!太りやすいんだよ!?悪いか?」
「そんなことないよ?逆に可愛くなったじゃん!?」
「なってねーわ!!」
翔は俺の手を乱暴に振り払った。
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