その手で触れて確かめて
第7章 甘くて、甘い…(A × M)
「何で?」
「何で…って?朝起きたらいないし、仕事から帰ってきてもいないし。」
「…サークルの友達と遊んでんだよ?」
雅紀は、俺の背中に頬を擦り寄せるようにピタリと体を密着させてきた。
「俺よりも友達といる方が楽しいか?」
「…そう…じゃないけど…」
「けど、何だ?」
「どうしたんだよ?」
「いや…ただ…」
「ただ、何?」
「…何でもない。」
俺は体を翻し、雅紀に相対した。
「言っとくけど、俺、浮気なんてしてないから。」
「翔から聞いたのか?」
その問いには答えずに、
雅紀の胸に顔を埋めた。
「浮気なんてしてたら雅紀とこんなことするわけないじゃん?」
雅紀は、少し苦しいぐらいに抱きしめてきた。
「悪かった。」
雅紀…俺の方こそ嘘ついてごめん。
ちょっと、びっくりさせてやりたかっただけなんだけど、
そんなに気にしてたなんて…
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