その手で触れて確かめて
第7章 甘くて、甘い…(A × M)
「あっ!!もー、また、こんなところに食べかすくっ付けてる!!」
ぶつくさ言いながらも、
雅紀の口の端っこについた食べかすを摘まんでは口の中に放り込む。
「いい大人なんだから、ちゃんとしなよ!?」
「そう言う潤も付いてるぞ。」
「えっ!?」
突然、雅紀の顔が近づいてきた、と思ったら、
俺の唇に、チュッ、と音を立ててキスしてきた。
「…ごちそうさま♪」
「ばっ…///!?ばかじゃないの?」
昼休み時を見計らって、
翔のところへ手作りケーキのお裾分けにきた俺たち。
「潤の唇は、ケーキより甘かったなあ♪」
「ハズ過ぎだし!!てか、どの顔が言ってんの?」
「この顔だよ?」
「んっ…。」
また、キスされて、
しばらくその余韻に浸っていると…
「「…………」」(←呆気にとられる翔くんとその秘書の二宮氏。)
やべ…!!(゜ロ゜;
翔がスッげぇ見てる。
「ご、ごちそうさまでした。」
見てはいけないものを見てしまった、とばかりに、二宮さんが社長室を後にする。
「…のさ、イチャイチャするなら場所変えてくんない?」
「ん?何だ、翔、いたのか?」
「いるわ!!てか、ここ、俺の職場だし!!」
「潤が目の前にいるからてっきり自分の部屋かと…」
「………」
それから後、
雅紀と二人一緒の時に限り、翔の会社への出入りは、
ご法度になったのは言うまでもない。
「甘くて、甘い…」end.
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