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その手で触れて確かめて

第8章 蜜月 〜side A〜 ① (S × O)



翔side


あなたの弱いところなんてすべて知り尽くしている。



胸の飾りを舌や指先で可愛がってあげたら極上の声で鳴いてくれる。



鈴口を舌先で突っついたり雁首に軽く歯を立ててやると、



白い喉元が美しい曲線を描くさまを見せつける。





そして、最後には、



決まって悔しそうに俺を睨み付けてくる。





今だってそう。



危うくあと少しのところでイきそうになって、





恨めしげに目線を流してくる。





でも、そんなことには構わず、彼自身を口内に含む。



余すことなく、丁寧に舌でゆっくり愛撫してあげる。



彼も、そんな俺の気持ちに応えてくれるみたいに切なげに鳴いてくれる。



苦しそうに、俺の名前を呼びながら、



俺の口内へと熱を吐き出す。





そして、あなたが見ている前で、


その熱を、わざと音を立てて飲み込んでやる。



肩で息をし、


汗と涙にまみれて、シーツに顔を半分だけ埋めた、何とも言えない表情を浮かべたままのあなたの前で。



罵倒される、のかと思ったけど、



あなたは、



不敵な笑みを溢しながらも、震える両手でもって俺のことを抱きしめ、




口づけてきた。



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