その手で触れて確かめて
第9章 蜜月 〜side A〜 ② (M × S)
翔side
あまりにもストレート過ぎる俺の問いに潤が黙ってしまった。
俺は、
脱ぎ散らかしたズボンやら下着やらを拾い集め再び着込んだ。
潤「帰んの?」
「風呂、借りようと思って?」
潤「なんでわざわざ服着んの?」
「お前さ…いくら自分ちだからって、真っ裸でシャツ1枚のカッコで家ん中歩き回れると思う?親父に見つかったら何て言うんだよ!?」
潤「…どうとでも言えるだろが。」
「お前はそうだろうね?いっつも誰かしら連れ込んでっから。でもさ…今は家の中には俺とお前と親父しかいない。」
俺の話を聞いているのかいないのか、
潤も乱れた服装を直していた。
「そこで、おんなじようなカッコしてる俺らを見たら、追及されて、怒鳴られてソッコー追い出されるんじゃない?」
潤「…かもね?」
腰を擦りながら立ち上がり、ドアノブに手をかける。
「お前さ…ヤられる側の人間の気持ち、ってどう思ってんの?」
潤「ヤられる側の気持ち?考えたことねーな?」
潤は鼻で笑った。
「じゃあ…さ、もし、もしもの話だけど、智がレイプされたら…」
潤「えっ!?」
背中越しだけど、
潤を包む空気が毛羽立つのを感じた。
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