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その手で触れて確かめて

第9章 蜜月 〜side A〜 ② (M × S)



翔side



フフっ。食いついた。



雰囲気でそう思った。



潤「翔、お前、まさか…」



どんだけ智のこと好きなんだよ!?



「例え話って言ったろ?それに、レイプされたのは…」



潤に背中を向けるようにドアノブをぎゅっと握ったまま、唇を噛みしめる。



「…俺のほうだから。」



潤の視線を感じる。



潤「えっ?う、嘘…だろ?」



ドアノブから手を離し、ゆっくり振り向いた。



「4、5人ぐらいだったかなあ?カビ臭い倉庫に連れ込まれて…」



今だって、ほとんど無理やりだったけど…



「ホントは智をヤるはずだったのに、って、主犯格の男が言ってた。」



今、思い出しただけでも吐き気がする…



潤「いつ…?」


「聞いてどうすんの?」


潤「いいから答えろよ!?」


「高1。お前が悪さした後ぐらいかな?」


潤「…仕返し、ってこと…か?」


「さあ…?」



ドアに凭れ掛かって、狼狽える様子の潤を半笑いで見ていた。



潤「何、笑ってんだよ!?」


「…別に?じゃ、俺、風呂入ってくるから。」



と、振り返り、ドアノブに手をかけた途端、



背後から、潤の節張った手に阻まれる。



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