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その手で触れて確かめて

第9章 蜜月 〜side A〜 ② (M × S)



潤side


耳を疑った。



あの、優等生の、


智と同じように将来を嘱望されていた翔が…



翔「信じられないって顔してんね?」


「ど…して?」


翔「どうしてかな?」



困ったように笑う。



「レイプされたことと何か関係が…」


翔「ヤられたヤツの気持ちなんて、どうでもいいんでしょ?」



思わず口を噤んだ。



翔「じゃ、風呂、入ってくるから。」



翔が部屋から出ていって、


ドアが閉まる音が聞こえたところで、はっとした。



え…翔が何?


昔、輪姦されたことがあって、


海外にいた時はカラダ売ってた、って…?



仮に、それらが事実だったとして、



どう繋げりゃいいんだよ!?



動揺し、混乱していた俺は、


翔の後を追った。



視界に翔の背中を捕らえた時、


翔はバスルームのドアを閉めようとしていたところだった。



慌てて走り寄りドアの隙間に足を挟み込んで、ドアが完全に閉まるのを阻んだ。



翔「何のつもり?」



ドアを閉め、密閉された空間となった脱衣室で、


翔は俺に背を向け、シャツを脱ぎ始めた。



翔「また、俺とヤりたいの?」


「そんなんじゃ…」



と、言いながら俺の目は、


だんだん露になってゆく翔の裸の背中に釘付けになっていた。

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