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その手で触れて確かめて

第9章 蜜月 〜side A〜 ② (M × S)



翔side


意識を取り戻した時はすでにベッドの中にいて、



ちゃんとパジャマも身に付けていた。



でも、



俺、何でこいつの腕の中にいるんだろな?



潤「あ、起きた?」


「起きた、じゃねぇよ?何なんだよ、これ?」



ヘラヘラしながらも、腕の力を緩めない潤に少しムカつく。



潤「ああ、抱き心地がよくてつい…。」



と、また、さらに腕の力を強めた。



「苦しい、って、離せ、バカ!」


潤「ええ〜いいじゃん?服着てんだから。」


「そういう問題じゃないんだよ!?」


潤「どういう問題なの?もしかして、智に見られたくないから、とか?」


「あ、イヤ…そういう訳じゃ…」


潤「じゃ、何なの?」



目を逸らそうとして、


頬を両手で挟さまれ、顔を固定されてしまう。



潤「そんなに智が大事なの?」


「大事、って…智は俺らの兄貴だろ?」


潤「俺にとっては他人だけどね?」


「そんな言い方…っ!?」

潤「だって、ホントの話だろ?血の繋がりも何もないんだから。」


「だから、って、他人呼ばわりなんて…」



潤「そういう翔こそ何だよ!?智、智、って!?」


「俺にとって智は血の繋がった兄貴だから。」


潤「じゃあ、俺は…」



潤は、俺の首筋に顔を埋めると、声を詰まらせた。


潤「弟のことは…俺のことはどうでもいいのかよ?」


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