その手で触れて確かめて
第9章 蜜月 〜side A〜 ② (M × S)
翔side
「…お前、泣いてんのかぁ?」
潤の髪をぐしゃぐしゃと撫でてやると、
鼻を啜り、目元を拭いながら顔を上げた。
潤「るっせえよ!!」
粋がって吠える潤の頭をまた押さえつけて小さな子供をあやすように撫でてやった。
「よしよし。お兄ちゃんが慰めてやるから。」
潤「だからっ、うるせ…」
未だ、吠えまくる潤の顔を引き寄せ、
唇を塞いだ。
「お子ちゃまは黙ってお寝んねしなさい、ってんのが分からないんでちゅか?」
薄ら笑いを浮かべながら言う俺に、
思わず潤が吹き出す。
そして、真顔で見つめながら口づけてきた。
潤「じゃあ、慰めてよ?お兄ちゃん?」
潤は、まるで俺の心音を聞くように、
胸の中に顔を埋めた。
「…やだ。」
潤「さっき、慰めてやる、って言ってじゃん?」
「どうせ、俺にエロいことしようとしてんだろ?」
潤「そういう意味なんじゃないの?」
「違うって…あっ…」
パジャマの下から忍び込んできた手が肌の上を這い回る。
触れるだけのキスを繰り返しているうち、甘く疼き始めていたカラダは、
ほんの少しの刺激で高みへと登り詰めていこうとしていた。
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