その手で触れて確かめて
第2章 劣情と熱情と純情と (A × M )
ヤツの目を見つめたまま首に腕を巻き付けて、わざと音を立て、唇にキスをしてやると、
ヤツの口角がゆっくりとあがる。
「俺は優しくないぞ?」
「フフっ。そんなん言わなくても分かるよ?いきなり押し倒してくるぐらいだしね?」
「…手厳しいな?」
「事実でしょ?」
ヤツの指先が再びシャツの中に忍び込んできて、胸の先端をぎゅっと摘まんだ。
「うっ…ん」
顔をしかめ、唇を噛みしめる。
「いきなり何?他の2人にもこんなことすんのかよ?」
アイツを見上げ苦笑いすると、
今度はシャツをたくしあげ甘噛みしてきた。
「あっ…つっ。」
胸の突起の周辺を這う舌の動きに合わせて揺れるヤツの髪が肌に擦れて、
新たな刺激を生んで行く。
思い出したように重ねられる唇。
唇の隙間を抉じ開けるように舌を動かされて、
口内に侵入してくる舌先。
耳元に直接響いてくる水音に、
体が、熱くなっていく。
ヤツの舌の動きに気をとられている隙に、
手がズボンの中に忍び込んできて、
下着越しに俺のモノを柔々と撫で始める。
「…どうした?」
「あっ…や…別に…」
つい、ヤツの顔に見いっていた自分が恥ずかしくなり、
ふい、と顔を逸らす。
でも、強引に正面を向かされ、顎を掴まれる。
「何を赤くなっている?」
「べ、別に赤くなってなんか…」
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