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その手で触れて確かめて

第10章 お2階さん。( A × N )



そう言えば、


初めてアイツの部屋に行った時もあんな顔してたな…



何かに没頭している途中だったのに、



水を差すように、俺みたいな他人がいきなり部屋に訪ねていって、



機嫌がいい訳ないよな?




潤「あんなデカくて肩こらないのかな?」


「へ?」


潤「いや…ほら、胸、デカいじゃん?」



あ、その後ろの女の子?



潤「どこ見てんの?」



今度はこの濃い顔イケメン野郎が俺の目線を辿る。


「あっ!?そっ、そうだね?どのぐらいあんのかな?」


慌ててコイツの言ってた巨乳女子に話題をすり替える。



潤「何だよ!?他に気になる子とかいんの?」


「い、いないいない!!あの子だよあの子!!」


潤「だろ?ドンピシャだろが?雅紀、巨乳好きだ、って言ってたし。」



確かに、胸のデカイ子は好きだけど。



俺が気になんのは…。





それからというもの、



授業なんて上の空で、



教科書を立て手元を隠しゲームに夢中になっている彼の真剣そのもの眼差しに釘付けになっていた。



そして、講義が終わり、

このあとバイトだからと爽やかに手を振り講堂を出てゆくイケメンの背中を見送ったあと、





俺は、今まさに席を立ち出ていこうとする彼の肩を掴んだ。


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