その手で触れて確かめて
第11章 先輩なオレと後輩なキミ。(S × N)
和也side
2か月前…
「も、もし、イヤじゃなかったら、おっ、オレと…つ、付き合ってください!!」
夕やみ迫る3年の教室。
俺は勇気を出してある人に告白した。
翔「…いいよ?」
まさか…
まさか、あんなにあっさりOKの返事がもらえるなんて、
思ってもみなかったけど…
入学式の日。
潤「また、3年間一緒だな?」
「ホント、腐れ縁てヤツ?」
潤「ひでぇなあ。それが幼なじみに言うことかよ?」
ふと、顔をあげると、
開け放たれた3年の教室の窓から見えた、クラスメートと談笑するあなたの顔。
その時から、俺は、
あなたのその笑顔から目が、離せなくなったんだ。
潤「名前は櫻井翔、3年生だって。」
ある日の昼飯どき。
潤くんがそう教えてくれた。
潤「気になってんでしょ?」
「し、調べてくれなんて頼んでねーし!」
潤「ふーん…。」
その日から俺は、
用もないのに、3年生の教室の前を通ってみたり、
体育の授業中、
開け放たれた窓から、ちらっとでも見えないかな、って、眺めてみたり…
潤「そんな気になるんならコクったらいーじゃん!?」
「は?男同士だよ?マジ、あり得ねーし!?」
でも、
その1か月後、
オレはあの人に告白していたんだ。
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