その手で触れて確かめて
第11章 先輩なオレと後輩なキミ。(S × N)
和也side
俺は、部活なんて興味なかったし、中学の時から頑なに帰宅部であることを貫いていた。
だから、早々に部活を引退していた先輩とはほぼ毎日のように一緒に帰っていた。
途中、先輩の受験勉強のために立ち寄る市立図書館。
そこで勉強することが俺たちの日課だった。
だから、付き合い初めて2ヶ月、
キスはおろか、手を繋いだことなんてただの1度だってなかった。
チャンスがなかった訳じゃないし、
拒否ってたわけでもない。
ただ、オレとしては
コクった時、あっさりOKをもらったことがまだ、信じられなくて、
俺の方からは踏み出せずにいたけど。
そんな自分のことは棚に上げて、
手も握ってこない先輩に業を煮やしたオレは、
同じ1年のクセに、何かと経験豊富の潤くんにそれとなく聞いてみた、つもりが…
潤「は?2ヶ月たつのに?」
「うん。」
潤「エッチもしてねぇの?」
「いや、だから、エッチも何も…」
潤「手も握ってない、って?」
「…はい。」
潤「それ、付き合ってねーし。」
やっぱりか…。
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