その手で触れて確かめて
第12章 甘く、透明なオレンジ( M × O )
潤side
智「もー、翔くん、てば、ほんと強引なんだから。」
ねぇ?と苦笑していたけど、
とても楽しそうだった。
「櫻井先輩、って、昔からあんな感じなんですか?」
智「うん。全然変わってない。」
やっぱ、綺麗だな…
思わず彼の笑顔に見惚れてしまう。
「だから、営業成績トップなんだ?」
智「翔くん、トップセールスなの?」
「もう、殿堂入りしてもいいんじゃないの?ってぐらい毎月ダントツで。」
智「やっぱり、翔くんはなにやらせてもスゴいんだね?」
気のせいかな?
櫻井先輩の話をするときの大野さん、って、
何だかキラキラしてる。
智「あっ!!ごめんなさい。僕もう行かなきゃ。」
大野さんはまたあとで、と走り去っていった。
翔「何だか、お見合いみたいだね?」
「えっ!?」
先輩はニヤニヤ笑いながら、ジョッキを取り落としそうになった俺を横目で見ていた。
翔「…まあ、似たようなもんか。」
先輩はテンパる俺に、笑いを必死で堪えていた。
翔「おっ!?来た来た♪」
先輩が手招きする方に目を向けると、
あの笑顔が駆け寄ってきた。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える