その手で触れて確かめて
第12章 甘く、透明なオレンジ( M × O )
智side
潤「何だか大野さんの気分を害しちゃったみたいで…」
松本くんは苦笑いを浮かべながら頭を掻いた。
「あ、いや、僕のほうこそ大人気なくて。」
そう。松本くんは悪くない。
悪いのは翔くん。
翔くんはいっつもそう。
僕の気持ちなんてお構いなしなんだから…
潤「大野さん?」
松本くんの声で我に返る。
「あっ。ごめん。ボケッとしちゃって。」
落ち着いたら何だかお腹がすいちゃった…
「ね、どこかで飲み直さない?奢るよ?」
潤「えっ…///」
「行こ?」
松本くんの返事も待たずに歩き出す。
「えっ…と…」
この辺だったらどこがいいかな?
潤「あの…ここら辺だったら俺、いいところ知ってますけど?」
「ホント?じゃ、任せる。」
「あー、美味しかったぁ♪」
潤「ホントに?よかった。」
松本くんに連れられてやって来た、オシャレな洋風居酒屋。
ワイングラスを傾ける松本くん。
居酒屋で中ジョッキをあおってるより、断然、そっちのほうがイメージだな?って思ったら、思わず笑ってしまった。
翔くんだったら、まず、似合わないけど…
想像したら何だか笑えた。
潤「あの…大野さん。」
「えっ!?あっ!?ごめん。」
いけない。僕、ってばまた…
潤「あの…いやじゃなかったらまた、食事、一緒にいきませんか?」
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