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その手で触れて確かめて

第12章 甘く、透明なオレンジ( M × O )



数ヵ月後…


潤side


「ただいま…」



人の気配はするのに、返事が返ってこない部屋の中を見回す。



静かに靴を脱ぎ、足音を忍ばせリビングに向かう。


リビングのドアを開け、こちらに背を向けるようにソファーに座り、テレビを見ている背中に声をかけた。



「ただいま。」


智「………。」



無視かよ…。



突然、智はむっくりと体を起こし伸びをした。



智「もう、寝よ、っと。」



は?



智「あっ!?潤、帰ってたの?」


「………」


智「今日はもう帰ってこないのか、と思ってた。」


鼻唄混じりでキッチンへ向かい、冷蔵庫からミネラルウォーターを取りだし喉を潤す。



智「ごめんね?ご飯作ってないんだ?」



小首を傾げて笑う小悪魔・智。



「別に構わない…けど?」



ホントは大いに構うけど…





あれから智とは週一で互いのところを行き来していた。



だが、俺は、今日がその日だと知っていたにも関わらず、



上司からの誘いを断りきれずに智の怒りを買う羽目になってしまったのだった。



智「あっ!?勝手にシャワー借りちゃった♪」


「かっ、構わない…よ。」


智「じゃ、お休みなさい♪」



智は、寝室のドアを閉めると、


内側から鍵をかけた。



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